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「夢のかけ橋プロジェクト」に込めた想い

 2004年5月1日は、世界を魅了した偉大なF1ドライバー アイルトン・セナが亡くなって10年の節目の年でした。

 10周忌にあたり、当初は私共が撮影したセナの貴重な映像を多くの人々に見ていただき、在りし日のセナを偲んでほしい。偉大なる、そして愛すべきセナの映像をただ倉庫の中に眠らせておくのは忍びない…という想いから、彼の特別番組と、彼の映像をメインとした追憶イベントを考えていました。
 私の故郷である鹿児島の人々に、私達が撮ったセナの生前の素晴らしい走りを見てほしいと、イベント開催にあたり県内で会場を探したところ、空いているのはセナの命日である5月1日だけだったのです。偶然かもしれませんが、私にはセナが背中を押してくれたように感じました。

 イベントに向けてセナのことを改めて調べるうちに、彼が時代を超え、今なお多くの人々を魅了してやまないのは、単に彼が天才だったからではなく、その精神が誰よりも崇高で気高く、誰よりも速く走るという強い意思や、目標に向かってひたすら努力するという純粋な姿に皆が共感したからではないかと考えるようになりました。天才であったという事実よりも、夢に向けてベストを尽くす、極限を超える努力するという生き方こそが彼の最大の素晴らしさなのだと。彼の生き様は、天才でなくても努力することで、誰もがセナのような天才になれるという勇気を私達に与えてくれるのではないでしょうか。
 さらに、敬虔なクリスチャンでもあった彼は、次のような考えをも持っていました。“皆、平等にチャンスは与えられている。この世に生を受けたということ、それ自体が最大のチャンスではないか”“ひとりの人間として、ブラジルの、そして世界中の恵まれない子供達のために積極的なアクションを起こしたい” と…。

 ところが、彼のその素晴らしい人間性を知り、特別番組とイベントへの想いがますます強まっていた矢先、映像の権利問題で番組を作れないというアクシデントにみまわれてしまったのです。これはつまりイベントでも彼の映像を流せないということを意味し、私の頭の中は真っ白になってしまいました。
 これまで考えてきたことが全て無駄になってしまうのだろうか。もうセナの映像を皆に見てもらうことは出来ないのだろうか。一体私に何が出来るのだろう。そもそも何故5月1日にこだわるのか…。悩み、自信を失い、諦めかけたことも一度ではありません。

 けれども、彼のメッセージを通して考え続けてきたのです。映像をメインにしなくても、自分なりにきっと彼のメッセージを伝えることが出来るはず。そう考え、持ち前のNever Give Upの精神で、再びゼロから企画を練りなおした時、色々な方からのアドバイスもあり、「夢のかけ橋プロジェクト」に行きついたのです。

 彼の、夢に向かって努力するという生き方や、恵まれない子供達のために積極的なアクションを起こしたいという考えは、10年以上経った今、日本の子供達にこそ伝えるべきなのだと強く感じます。確かに日本は物質的には豊かかもしれません。しかし望む前からすべてが与えられ、自分が本当に望むものを見つけられない子供達。自分の夢に向かって努力することの尊さを知らない子供達。また、いじめや虐待で心の豊かさを得られない子供達。日本の子供達は多くの深刻な問題を抱えながら生きています。
 多くの大人達が、子供達の問題に胸を痛めているのだと思います。でも何をしたらいいのか分からない…。それが現状ではないでしょうか。だから、私は今、夢に向かって努力する素晴らしさについて、また日本が抱える子供達の問題について少しでも多くの人に知ってもらう、考えてもらうきっかけになれたらと、このイベントをやる決心をいたしました。そしてそれこそが、私なりにセナのメッセージを伝えることになるのだと思うのです。

 実は私は2000年に脊髄炎にかかってしまい、今、車椅子の生活を送っています。あるドクターからこの病気にかかった時、『神様から何をすべきかメッセージをもらっているんだよ、今の君は。』と言われずっと考えてきました。今の私に出来ること…。私もモータースポーツの映像プロデューサーとして20年近くやってきましたが、セナの想いを通して子供達を応援することが、神様が私にくれたメッセージなのかもしれません。

 とりとめのないことを長々と書いてしまいましたが、これが正直な私の想いです。本プロジェクトに一人でも多くの方にご賛同していただければ、こんなに嬉しいことはありません。一人一人の力は小さくても、多くの方が集まればそれは何にも勝るエネルギーになると信じています。


「NPO法人 夢のかけ橋プロジェクト」
代表理事 山田 百合子
2004年5月1日

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